東大寺総合文化センター

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特集展示 善財童子

平成29年10月1日(日)〜 10月17日(火)

 善財童子は『華厳経』の最終章「入法界品」に登場する童子の名前です。入法界品は、文殊菩薩の説法を聞いた善財童子が仏道を求める心を発し、その指導によって南方に五十三人の善知識(ぜんちしき、よい指導者)を訪ねて遍歴し、再び文殊菩薩のもとに戻り、最後に普賢菩薩の教えによって修行を完成するという菩薩道を説いています。
 今回は、善財童子の姿や求法の旅を描いた絵画(華厳五十五所絵)を、それに関わる経典を合わせて展示します。

                特集展示 展示一覧

・重要文化財 華厳五十五所絵のうち
  勝熱婆羅門、遍友童子師   2面  絹本著色  平安時代(12世紀)

 『華厳経』入法界品に説かれる、善財童子が文殊菩薩の指南に従って善知識を歴訪し、最後に普賢菩薩を訪ねて菩薩道をきわめたという説話を絵画化したもの。名称にある「五十五所」は文殊菩薩との再会を含めて55の善知識を訪ねることによる。
 勝熱婆羅門(しょうねつばらもん)は10番目に訪ねた善知識で、火炎につつまれた岩山の上に坐る勝熱婆羅門を見上げる善財童子が描かれる。遍友童子師(へんぬどうじし)は44番目に訪ねた善知識で、椅子に座った遍友童子師に向かって合掌する善財童子の姿が描かれる。


・善財童子像   1幅  絹本著色  鎌倉時代(14世紀)

 単独の姿で描かれた善財童子像。単独で描かれた作例はほとんど知られず、非常に珍しい。つぶらな瞳の可愛らしい姿で描かれ、金泥や濃い彩色でいろどった華やかさがあり、高麗(こうらい)仏画の影響が指摘されている。


・重要文化財 紺紙金字華厳経 巻第64、巻第76、巻第80    3巻  紺紙金泥  鎌倉時代(13世紀)

 本品は建久6年(1195)3月の大仏殿供養会に際して書写されたと八十巻の華厳経。
 巻第64は、善財童子が善知識をたずねる旅のなかで、休捨優婆夷(くしゃうばい)や勝熱婆羅門(しょうねつばらもん)を訪れた場面を記し、巻第76は、摩耶夫人をはじめ、遍友童子師(へんぬどうじし)や堅固解脱長者(けんごげだつちょうじゃ)を訪れた場面を記す。
 巻第80は最終巻で、善財童子がさまざまな善知識(ぜんちしき)を尋ねた最後に、普賢(ふげん)菩薩のもとで悟りを開くことが説かれる。そのことを示すように、見返絵(みかえしえ)には普賢菩薩が描かれる。

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