特集展示「二月堂修二会」
平成24年2月7日〜4月1日
二月堂修二会は二月堂の本尊・十一面観世音菩薩に前年の罪過を懺悔し、その年の除災招福を祈る「十一面悔過」法要です。旧暦二月に修すことから修二会といい、儀式の一部の名から“お水取り”と通称され、春を呼ぶ行事として人々に知られています。
二月堂修二会は良弁僧正の高弟、実忠和尚によって大仏開眼の年、天平勝宝4年(752)に創始され、今日に至るまで「不退の行法」として一年も欠かさず行われています。今年、平成24年は1261回目となります。この長い歴史の中には平安末期の源平の戦いや戦国の騒乱、先の大戦での空襲の影響など幾度となく存続の危機がありました。中でも最大の危機は寛文7年(1667)の行法中に起きた二月堂の炎上、焼失でした。お堂がなくなり、必要な道具類もほとんど失い、継続困難な状況に陥りました。
今回の特集展示ではこの炎上時の様子を克明に記録した修中日記、焼け跡から救い出された古い記録や経巻、二月堂再建のための指図(設計図)などを展示します。二月堂の炎上、焼失を目の当たりにした人々の気持ち、行法継続への思いや努力を感じ取っていただければ幸いです。
展示リスト(名称の前につけた◎の記号は重要文化財であることを示します)
・◎二月堂本尊光背
・◎紺紙銀字華厳経(二月堂焼経)
・ 二月堂再建地割図(梁行図) (2月 7日〜4月1日)
・ 二月堂再建地割図(桁行図) (2月28日〜4月1日)
(※2月7日〜26日は梁行図のみ展示)
・◎二月堂修中練行衆日記 第二十
(※2月7日〜2月26日、3月15日〜4月1日)
・ 東大寺年中行事記録 第一
(※2月7日〜2月26日、3月15日〜4月1日)
・◎二月堂修中練行衆日記 第一・二・三(大双紙)
(※2月28日〜3月14日)
・◎二月堂修中練行衆日記 両堂記 第六
(※2月28日〜3月14日)
・ 三彩軒平瓦 (二月堂仏餉屋下層出土)
・ 二彩水波文塼仏(二月堂仏餉屋下層出土)
・ 軒平瓦・軒丸瓦(二月堂仏餉屋下層出土)
・ 墨書土器 (二月堂仏餉屋下層出土)
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