東大寺総合文化センター

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東大寺ミュージアム

東大寺ミュージアム開館記念特別展 『奈良時代の東大寺』

東大寺にはその前身寺院や聖武天皇による大仏及び大仏殿創建以来、千二百数十年の歴史があります。その間、たび重なる兵火や災害に見舞われながらも、大仏殿をはじめとする伽藍の維持と再建に力を尽くしてきました。また、彫刻・絵画・工芸・聖教類・古文書等、先人たちが残した数多くの宝物を所蔵し、その保存と継承に努めてきました。平成23年(2011)10月10日、寺宝収蔵の新施設として、東大寺ミュージアムが開館し、東大寺寺宝保存の新たな歴史が始まりました。

平成23年10月10日から平成25年1月14日まで、東大寺ミュージアム開館記念特別展「奈良時代の東大寺」が開催されました。国宝13件、重要文化財41件、奈良県指定文化財1件など、全106件を展示いたしました。
ミュージアムには5室からなる展示室があり、特に第2室は法華堂(三月堂)の内陣をイメージして設計されております。この折、法華堂は須弥壇の解体修理事業が行われていたため、第2室の中央のケースには会期中、法華堂ご本尊の不空羂索観音像と日光・月光両菩薩像が安置されました。
このほか、大仏開眼にまつわる彫刻作品、奈良時代の工芸などが安置され、東大寺創建期の雰囲気を感じ取れるような展示が行われました。



主な展示作品
国宝
不空羂索観音立像(通期)
国宝
日光菩薩立像及び月光菩薩立像(通期)
国宝
不空羂索観音立像宝冠及び化仏(平成24年4月3日~)
重文
天蓋(法華堂所在)西の間(平成24年7月9日~)
国宝
誕生釈迦仏立像及び灌仏盤(通期)
重文
菩薩半跏像(通期)
国宝
東大寺文書(作品入替有)
国宝
華厳五十五所絵巻(作品入替有)  
ほか

主な出陳作品

国宝 不空羂索観音立像
   奈良時代(8世紀)
法華堂の本尊。脱活乾漆の技法で製作、身体つきは量感豊かで、肉身や着衣の表現は細やかで的確である。堂内では宝冠をかぶり、手には持物を執り、光背をおうが、ミュージアムでは取り外しての仮安置。三目八臂の姿はインドの「大自在天(シヴァ神)」に由来するとされる。多数の手や、独特の持物によって、衆生を救う変化観音の一例。
国宝 不空羂索観音立像宝冠及び化仏
   奈良時代(8世紀)
左の不空羂索観音が頭上に戴く宝冠は、金属部分は鏡などの一部を除いて、正面に立つ化仏を含め銀製鍍金で、翡翠・琥珀・水晶・真珠・ガラス等の宝玉を用いた荘厳が行われている。細やかで美しい銀細工と、色鮮やかな玉を連ねた華やかな意匠など、奈良朝工芸の粋を集めた作品と言える。
重文 天蓋(法華堂所在)西の間
   奈良時代(8世紀)
法華堂には三間の天井があり、それぞれ中央には天蓋が取り付けられている。東・西の間の天蓋は奈良時代の作。中央に鏡を据えた直径70-80cm程の蓮華形、その八方にめぐらせた小型の蓮華花の中心には鏡をはめこみ、各三葉の蓮葉をつける。剥落・補修も多いが、暈繝彩色など奈良時代の彩色の特徴が今も残る。
重文 二月堂本尊光背
   奈良時代(8世紀)
二月堂の本尊、秘仏の十一面観音像(大観音)の舟形光背(身光)。金銅製で、表裏面ともに鏨による線刻画像が刻まれる。表面は補陀落山の観音が千手千眼を備えたという奇蹟の場面を中心に描きこむ。現状は、寛文7年(1667)の火災により火中した断片を、復原配列して貼りつけたものである。
国宝 華厳五十五所絵巻(部分)
   平安〜鎌倉時代(12世紀)
善財童子が文殊菩薩の教えに従って、各地の善知識(先生)を訪ね、最後に普賢菩薩のもとで菩薩行を体得するという、『華厳経』入法界品に説かれる説話を絵画化した作品。かつては54場面そろった一巻の巻子であった。輪郭線は人物を細くやや濃く、背景を太くやや薄くと、濃淡をつける。淡い彩色は軽やかで、清明な印象を与える。
東大寺山堺四至図(部分)
江戸時代(19世紀)
現在、正倉院宝物である奈良時代の東大寺の寺域を記した地図を、江戸時代に正確に写したもの。右下に「天平勝宝八歳(756年)」の年紀があり、原本は聖武天皇の崩御直後、寺域が定められて、絵図に描かれたものであることがわかる。東大寺境内には、大仏殿、羂索堂(法華堂)、千手堂(現存せず)の建物、東西両塔院と戒壇院の区画が描かれている。
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